Your day will change the world
『あなたの一日が世界を変える』について

神様がくれた人生のハーフタイム(2)

そのときからずっと、私は、児童文学作家として、世界中の読者に愛され、永く読み継がれる作品を書き続けることとともに、『あなたの一日が世界を変える』の考えをできるだけたくさんの方にお伝えし、共感し実践していただくことが、こうして快復した私が生かされている意味の一つであると考えてきました。

一人ひとりが今日という一日をたいせつにし、よりよい一日を過ごすことにより、自分自身から、さらには身近なところから、平和でよりよい世界を実現していく『あなたの一日が世界を変える』。これは、私が、小学校の教員だった20代のころから考え、機会あるごとに伝えてきたことです。

『あなたの一日が世界を変える』というと、「そんな大きな話を」と思われるかもしれません。

では、みなさん考えてみてください。私たちが持っている世界という概念は、自分からはじまっているということを。私たちが「世界」というとき、それは自分という存在から、家庭・地域・町・市・県・国・近くの国々というふうに広がっているのです。私たちが「世界の果て」などといっている場所に住む人たちにすれば、世界はそこからはじまっており、私たち日本が、世界の果てということになるのです。すなわち、私たちがイメージする世界がどれほど大きなものであっても、その意識の中心には、自分自身の存在があるのです。

ですから、その自分自身が、たとえば、『あなたの一日が世界を変える』にある、今日が輝く「10の問いかけ」について考え、一日のすごし方に気を配ることができるならば、世界の総人口からすると、きっとその日は、約70億分の1だけ世界がよくなるということなのです。そう考えると、もし、世界の中の誰か1人が、『あなたの一日が世界を変える』の理念と内容に共感してくれて、その日一日をよりよくすごす事ができるならば、私とあわせて世界の70億分の2=35億分の1となるのです。 これは世界が2倍よくなるということではないでしょうか。同じように、10人ならば7億分の1(10倍よくなる)、100人ならば7千万分の1(100倍よくなる)、1億人ならば70分の1、そして10億人ならば世界の7分の1がよくなり、平和になるのです。こうした試みならば、偉大な政治家でもなく宗教的な指導者でもない一人の人間として、さらにいえば、もし私の体が動かないままであっても世の中のためにできるのではないだろうかと考えたのです。

家庭や地域社会において、私たち一人一人が、自分の人生のなかで自らの生き方を考え、一日一日を大切にしながらよりよく生きることが、和やかな家庭や社会をつくるのです。すなわち、私たち一人一人が、自分の人生のなかで一日一日を大切にしながらよりよく生きることが、心豊かな国や世界の平和を実現する第一歩となるのです。

また、企業についていえば、先に述べたCSR(Corporate Social Responsibility)「企業の社会的責任」やSRI(Socially Responsible Investment)「社会的責任投資」=(健全な社会に貢献する企業への投資)への注目度の高まりに見られるように,企業倫理が問われる事件が多発する昨今、こうした社会的責任を果たそうとする姿勢こそが,利益につながる時代がこようとしています。

もちろん企業行動憲章(日本経済団体連合会)にあるように、社会の信頼と共感を得るための活動によって企業の社会的責任の遂行に努めようとする企業も増えてきています。しかしこうした活動への取り組みが本当の成果を上げるためには、何よりも社員一人一人の人格が向上し、その意識と行動がよりよくなることが必要なのです。そうでなければいくら多額の予算を充てたところで、イベント的な事業をしてこと足れりとなってしまうのです。逆に言えば一人一人が自分の人生のなかで一日一日を大切に生きようとするならば、大きな予算をかけなくとも企業活動の内容やすべての場面が社会貢献となるのです。

企業のこうした取り組みは、社会全体の道徳的な環境力を高める上で大きな役割を果たすものであり、また、企業にとっては、よい社風を醸成すると共に、その企業に対する信頼感やイメージをアップするといった目に見えない利益をもたらすものとなります。もちろんこれは、会社や商店においても同じです。そして、今、『あなたの一日が世界を変える』、この考えに共感した取り組みが、少しずつ広がっています。

『あなたの一日が世界を変える』

この考え方は、きわめてシンプルなものです。しかし、だからこそ、国籍も性別も年齢も職業も関係なく、共有することができるのではないでしょうか。

なにより、私たち一人ひとりが、自分の意志で、自分の人生の今日という一日をたいせつにし、よりよく生きること。それは、一人から始まる、そして、世界中のだれもが、たった今から一人で始めることができる大きな「社会貢献」なのです。

どうか、この『あなたの一日が世界を変える』の考えに共感していただけたなら、どうか、あなたが伝えたい人に、『あなたの一日が世界を変える』、そして、次のページにある、一日一日をたいせつに生きるための、今日が輝く「10の問いかけ」についてお話しください。 一人ひとりが今日という一日をたいせつにし、よりよい一日を過ごすことにより、自分自身から、さらには身近なところから、よりよい世界を実現していく『あなたの一日が世界を変える』。

この考え方が広がっていけば、数倍・数十倍・数百倍……と、私やあなたのまわりから、確実に世界がよくなるのですから。